ピンク色の美しい色合いで、細くて長い脚で優雅に立っている姿は、人目を引くフラミンゴ。 可愛い見た目から漫画のキャラクターとして使われたり、チューブや人形、飾り物など、様々な形で制作されています。 私はあまり姿を見たことがないため、鶏やダチョウのように飛べない鳥だと知っている人もいるかもしれませんが、 フラミンゴは飛ぶことができる鳥です。

ピンク色のフラミンゴは、生まれた時は白や灰色だそうです。成長するにつれて、だんだんピンク色に変わっていくのですが、 フラミンゴはなぜピンク色なのでしょうか？フラミンゴが羽根だけでなく脚までピンク色である理由は、食べ物に関係があるそうです。 フラミンゴはカニやエビ、貝などの甲殻類を食べますが、その甲殻類に含まれるアスタキサンチンという赤い色素によって、 体が赤くなったそうです。食べ物によって体の色が決まるなんて、本当に不思議ですね。

フラミンゴは、眠っている姿も特徴的です。片足で立って眠っている姿は、私たちにはただ不快に見えてしまいますが、 片足だけで立っている理由は、もう一方の足を羽の中にしまって体温を維持するためだそうです。

華やかな外見のように、神秘的な点も多いフラミンゴ。しかし、絶滅の危機に瀕しているフラミンゴがいるそうです。

アンデスフラミンゴは、国際自然保護連合によって絶滅危惧種に分類されています。 絶滅危惧Ⅱ類（VU）であるアンデスフラミンゴは、数年で深刻な絶滅の危機に瀕する可能性があります。 現時点では正確な個体数は把握されていませんが、減少傾向が続いているそうです。 もちろん動物園で保護されているフラミンゴは、個体数を維持できるかもしれませんが、野生のフラミンゴは絶滅の危機に瀕しているそうです。

アンデスフラミンゴは、アンデス山脈に生息しているフラミンゴです。標高の高い場所は、気候変動の影響を受けやすい地域でもあります。 干ばつや嵐、洪水などの極端な気候が頻繁に発生していることも、アンデスフラミンゴの絶滅危惧の原因の一つと言われています。

また、リチウム採掘活動がアンデスフラミンゴに被害を与えていることが明らかになっています。 スマートフォンや電気自動車などのバッテリーとして使用されるリチウムを採掘する場所が、アンデスフラミンゴの生息地と重なり、 問題が発生しました。リチウムを生産する過程では大量の水が必要となるため、湖や地下水を使い、フラミンゴの生存が危ぶまれているのです。

インディアナ大学では、アンデスフラミンゴを保護するために、アンデスフラミンゴにGPS装置を取り付け、 彼らがどのようなパターンで移動しているのかを観察しています。周囲の気候状況とともに、2～4年ほど観察したそうです。 彼らの観察努力により、アンデスフラミンゴは国際自然保護連合によって絶滅危惧種に分類され、保護されるようになりました。 アンデスフラミンゴは、野生動植物の国際取引を規制するCITES条約からも保護されています。

アンデスフラミンゴ以外にも、絶滅の危機に瀕しているフラミンゴはたくさんいます。 まだアンデスフラミンゴほど危険なレベルではありませんが、保護活動が積極的に行われ、 これ以上フラミンゴが危険な状況に置かれないことを願っています。